白戸眼科は、かつての病院建物を引き継ぎながら、親子二代にわたって地域に寄り添い続ける診療所へと生まれ変わる。
本計画では、クリニックに多く見られる廊下や待合が生む閉鎖的な印象を見直し、光と視線の抜けを設計することで、公共性と開放感をそなえた空間へと再編した。
診療室や検査室は必要な個室性を確保しつつ、そこへ至る廊下には柔らかな擬似自然光を落とす光天井を計画。目に優しい光を基調に、来院者の心の緊張をそっとほどく。
光天井を支える集成材の架構を現しで用いることで、木質の連なりが、かつての病院の空気をあたたかく更新する存在となっている。
日本家屋に見られる「居間・縁側・庭」のように、複数のスケールが緩やかに重なり合う構成とすることで、閉じるのでも、開ききるのでもない、ちょうどよい距離感を帯びた空間性を目指した。
内科と眼科という二つの診療が共存する場として、緑色と曙色を穏やかに対比させた壁面計画を採用し、空間の性格をやわらかく示す。
さらに床仕上げの切り替えによって、患者の歩みと滞在のリズムを自然に導き、迷いのない動線をつくる。
ここで受け継がれていくのは、建物だけではない。
地域に寄り添う気持ちと、患者の目に寄り添うやさしい光となる事を期待する。

受付・待合
自然素材と柔光が調和し、患者を優しく迎える安心のエントランス。

待合
木組みの柔らかな光が降り注ぐ、穏やかな時間が流れる待合スペース。

中待合・通路
木の温もりと柔らかな光が導く、落ち着きのある動線空間。

通路
自然素材とクリアなサイン計画が調和した、視認性の高い診察室エントランス。

診察室
診察室から見える木組みの光が、空間全体のぬくもりをやさしくつなぐ。

検査室
半透明の間仕切りと木組みの天井がつくる、開放感と集中性を両立した検査エリア。

中待合
自然素材の壁面と半透明パネルが重なり、柔らかな陰影を生む診察室前空間。

検査室
白を基調としたミニマルな空間構成が、検査動線の明快さと集中性を高める。