「気付き」のためのインテリアとグラフィック
千葉県八千代市に開院した子供に寄り添った眼科。
子供の症状にいち早く気付き、早期に治療を行う事は重要であるが、
小さな子供の場合、言語化が上手くできないため、自分の症状を詳細に伝えることは難しい。
機器を使った検査においても、じっとしていなければならなかったり、指示通りに動かなければならなかったり、
なかなか小さな子供には容易ではない。
そこで、空間を構成するインテリアやグラフィックが、症状を知らせるきっかけになったり、
検査の手助けになったりするような提案を試みた。
潜り抜けたくなるようなアーチ型の開口や積み木で作ったような家型の什器など、
空間を構成するインテリアに様々な色や形を用いることで、空間全体に楽しげな印象を与え、子供が飽きない空間に。
それらが、子供の興味を惹くことで、色や形に関わる異常の発見に気付けるかもしれない。
壁面に配置したランドルト環は、グラフィックとして空間のアクセントとなり、全体をリズミカルな空間に仕立て上げる。
子供ならついつい指差ししてしまいたくなるような、グラフィック。
これは、単純なグラフィックだけの存在ではなく、視力検査時の患者の位置を示す役割も担っている。
他にも、子供の字ひとつ検査にも使えるかもしれないし、ミラーに映り込むランドルト環を使えば、
ミラーの特性を生かして、長い距離を必要とする検査も可能かもしれない。
インテリアやグラフィックは検査機器ではないが、「気付き」としての役割を果たすことが可能なのではないか、
と思わせる実験的な提案を試みた眼科。
受付・待合
受付・待合エリアでが多彩な配色を採用し、少しでも子供に興味が湧くよう配慮している。
受付・待合
潜りたくなるようなアーチ型開口を設けた検査室入口。子供に奥に何があるのだろうと目を引くさせる為、入口からはビビットな配色の家具を設置。
検査室
検査室もカラフルな色を用い子供心をくすぐるような空間になっている。
検査室
積木で作ったような家形の壁面キャビネットが空間に遊び心を与える。
診察室
診察前の緊張感を少しでも和らげられるよう暖かみのある配色を用い居心地の良さを与えた診察室
手術室
手術室も暖色系の配色を用い患者の緊張感を少しでも和らげるような配慮がなされている。