3代目継承に伴う眼科の建て替え計画。元の建物は増築を重ねていたこともあり、敷地の余白がなく、窮屈な印象の建物になっていた。また、この土地は交通量の多い幹線道路と細い抜け道のような道路の2面に面しており、その2面を行き交う車が多かったが、余白が無いほどに建物が建っていたため、見通しも悪く、危ない場所になってしまっていた。
そこでまず、建物の前を広く取るように建物外壁ラインを道路から大幅にセットバック、余白を作ることで見通しの悪さを解消し、車でのアプローチに配慮する事で送迎しやすい外部空間にした。また、車の往来しか見られないような場所のため、あえて幹線道路側は、視覚的に外部環境と遮断するように擁壁を建てた。擁壁の裏側には中庭を配置し、医院内から自然を感じれらる計画に。中に入ると、外の光量や雑音が遮断され、静かで穏やかな雰囲気に包まれる。
外観は、2階縦部分と平家建部分を左右に分け、擁壁とのバランスを取れるようにスケール感を調整し、高さのボリュームを3段階で構成。それらの素材や色調を合わせることで、外構を含めた一体的な建物の印象となるように計画。内観は、2階建部分のボリュームが中へと繋がる構成とし、空間それぞれの天井高さに変化を付けた。天井の高い待合空間は、広い開口部と中庭からの外光によって、明るく開放的な空間に。また、天井の高い部分には、間接照明をあしらい、天井面に視線を誘導。木目の天井に目を向けさせ、温もりのある空間を感じてもらう。間接照明は診療に向かう患者の動線に沿って配置しており、奥へと患者を誘導する。診療スペースの突き当たりには、天井まで鏡面素材を用い、繋がりと奥行き感を強調。奥へと進む期待感を膨らませる。
外観
建物の前を広く取るように建物外壁ラインを道路から大幅にセットバック、余白を作ることで見通しの悪さを解消し、車でのアプローチに配慮する事で送迎しやすい外部空間にした。また、車の往来しか見られないような場所のため、あえて幹線道路側は、視覚的に外部環境と遮断するように擁壁を建てた
クリニックエントランス
エントランスからは2階建部分のボリュームが中へと繋がる構成としている
中庭
視覚的に外部環境と遮断するように擁壁を建てた。擁壁の裏側には中庭を配置し、医院内から自然を感じれらる計画に。中に入ると外の光量や雑音が遮断され、静かで穏やかな雰囲気に包まれる。
待合
天井の高い待合空間は、広い開口部と中庭からの外光によって、明るく開放的な空間に。また、天井の高い部分には、間接照明をあしらい、天井面に視線を誘導。
通路
間接照明は診療に向かう患者の動線に沿って配置しており、奥へと患者を誘導する。